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2017.02.23

移転にまつわるお話

第4話『内装工事』

五月のゴールデンウィーク。いよいよ内装工事がスタートしました。
経費削減と少しでも自分も作業に参加したいという気持ちで、
『PERMILL DESIGN』松本さんと二人で一日かけて解体作業にかかりました。
素人の僕は何の役にも立たず結局ほとんどをやって頂くことになりましたが、
カウンター、扉、窓などを解体し。ほぼ正方形の何も無い箱が姿を現しました。

続いて大工さんに入って頂き、正面奥の部屋兼白壁、左面の白壁の造作をお願い致しました。
もともと壁も床もかなり歪んでいた建物だったので真すぐに直す作業からだったのですが、
一番出っぱっているところで水平を合わせるとどうしてもスペースがロスしてしまいます。
わずか5~8センチとかなんですが、
撮影を考えると少しでもヒキが取れて高さがあるに越したことはないのです。
両者を天秤にかけた結果、撮影に影響が出る壁は泣く泣くまっすぐを優先。
床は高さを優先して歪んだままにすることに決定しました。
撮影時に椅子ががたつくのはそのせいです、、、(すみません、、、)。
奥の部屋は二階への階段下のデッドスペースを利用して、撮影機材、資料などの収納が出来て、
着替えが出来て、作業も少し出来るようなイメージで作って頂きました。
バック紙などの長いものやレフ板、パネル系も収納できるように階段の横に少しスペースを残して
隙間収納ができるように、また当初から不安だった防犯面も解消できるように鍵も工夫して頂きました。

そして塗装は小中学校の同級生にお願いしました。
白という色は以外と難しく、よく見ると青っぽいものから黄色っぽいもの
微妙なものも含めて多種多様で、撮影ではその辺りが結構シビアです。
極力スタジオとして適した白を配合して頂き、
壁は反射を軽減したマットな水性塗料、床は汚れに強い油性塗料を
それぞれ竹田写真館仕様の白として作って頂きました。
勿論日に焼けてずっと同じ白は保てないのですが、
よりベストな環境で撮影できるようにしていただきました。

最後は電気ですが、こちらは撮影に比較的適した白い蛍光灯を入れて頂きました。
日中は少し暗い時もありますが自然光でお迎えすることが多いですが、
暗くなる時間帯や、暗い雨の日は蛍光灯をつけます。
よく天井を見ると、実は一つだけ向きが違う蛍光灯が付いています。
これに気付いた人は今まで一人もいませんが、この蛍光灯だけ独立していて
撮影で使えるようにつけて頂いたものです。
古いビルの踊り場にあった一つの蛍光灯が消化器を照らしているのを見て、
凄くいい感じの光だったので、忠実に再現してみました。

「オーナーがいてたらやりにくい!」と言われながらも、
出来ていく様を見届けたいと仕事に行く前、帰り際など可能な限り顔を出し、写真に記録しました。
想像力を駆使してあらゆることを考えたつもりでしたが、
全てが初めての経験で決めるまでの判断に時間がかかったり、
直前で迷いが生じたりとご迷惑をおかけしました。
そんな僕を暖かく受け止めて頂きながら、さすがはその道のプロフェッショナルの皆様。
部屋と壁の造作が出来、電気が引かれ、ペンキで真っ白になり、建具が作られて。
まだまだスケルトンの白い部屋なのですが、
写真館のステージはあっという間に完成していきました。

Deep Create
浜崎建装株式会社
弘輝電工

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元々の写真館の外観。
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解体後の写真館の様子。
棚の部分を活かして収納部屋を作る事にしました。
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扉、窓、什器をお願いしました粂井仰君と仰君の相棒。
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造作途中の状態です。
水平を取る為に微調整をしながら格子状の骨組みが出来ていきました。
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作業中に初めて気付いたのですが学生さんの通りが多く、
ゴールデンウィーク空けという事もあり本当に気持ちいい風が吹き、
この場所がどんどん好きになっていきました。
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大工さんの『Deep Create』高岡深造さん。
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デザイナーさんで現場監督の『PERMILL DESIGN』松本さん。
初体験の館長に、わかりやすく、丁寧に説明を繰り返して頂き、作業を進めて下さりました。
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窓枠が取り付けられる瞬間です。
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シンク側のコーナーです。
ほぼ造作が完成しました。