Information

2020.03.24

営業再開と苦渋の決断

この週末、2月24日以来、約一ヶ月ぶりに写真館の営業を
条件付きで再開させていただきました。

いつものようにシャッターを開けて、
植物に水をあげて、玄関前に水を撒いて、
掃除をして、セットを組んで、テストをして、
来られるお客さまの問診票を再度確認して、
お客様をお待ちする。
そしてお越し頂いてからは、
楽しい時間はあっという間。
いつもお越し頂いているお客様は
再会が待ち遠しいですし、
初めてのお客様は、
どんなお客様なんだろうか、
いい写真が撮れるのか、
喜んで頂けるか。
いつもいつも本当に喜びと緊張の瞬間でもあります。
でもそれこそが生きている証であり、
エネルギーに満ち溢れていて本当に嬉しい!!
だから続けてこれた場所でもあります。

反面、いつもの日常と違って
念入りにアルコールで清掃して、
小まめに手洗いをして、
見えない敵に備える。
写真館に本来、敵など存在しないのですが、
そういうことを考えながら準備して、営業していると、
本当にこの時期に写真館という場所の
再開が必要だったのかどうなのか、
という葛藤が正直今でも付き纏います。

ホームページの『竹田写真館とは』の中の文章に、

慌ただしく、当たり前のように流れている日常の中では
〜中略〜
その当たり前な日常こそが
どれだけかけがえのない大切な時間でしょうか。

まさにこのような心境でみなさん今を過ごされてるんじゃないでしょうか??
そして大変不謹慎ですが、
写真館ではなく、新型コロナウィルスのおかげで、
当たり前の日常の大切さを痛感しているという皮肉。

そして冒頭にも書いた日常はまさに自分自身の
写真館の館長としての今までの当たり前の日常だったのです。

ようやく再開に向け、少し光が見えてきた矢先の連休前に、
大阪府知事から新型コロナウイルス感染拡大防止のため、
「3月20日からの3連休に兵庫県と大阪府の往来の自粛を求めるという通知が厚労省からあったこと」
を明らかにしました。
日に日に状況が悪化していく各国の状況を見ている中で
今回の内容は、このまま放置しておくと阪神地区が深刻な方向に向かう
ということが容易に伺い知れました。
そんな中、一組兵庫県からお越し頂ける予定のお客様がいらして、
本当に苦渋の判断の中、事情を説明して、
延期のご了承をいただきました。
4年前からお越し頂いてて、5回目の撮影だったお客様で
この週末が卒園式で、そのあとにお越しいただけるご予定でしたが、
本当にお力になれなくて、ただただ申し訳なくて、悔しくて、残念で。

でも、状況が悪化してたくさんの方が感染されたり亡くなられたりした時に、
その方々にもご家族がいらっしゃって、
そして医療関係や今回の様々な対応に当たっている方々の負担も増し、
またその方々にもご家族がいらっしゃって、、、と考えると、

今後もそういった発表や要請があった場合は
苦渋ですが、直前でも今回のような決断をしていかないといけない
と思っております。

写真を撮る人間としては、
このような歴史に大きく残る時代のご家族の写真を撮るというのは
一つ大切なミッションだと思います。
わざわざお越し頂ける、全てのお客様の撮影をさせて頂けるのが
本来の姿であり、続けるための原動力です。
ただ町の写真館という場を作る人間としては、
感染や不安を拡大させてしまう場所になってはいけないなと思っております。
そういった部分を、考えながら
写真館としては、今後も条件付きで営業を続けてまいります。

連日長文ですみません。心の葛藤をそのまま書きました。